![でー太](https://suzuribako.com/wp-content/uploads/2023/02/男性の顔困った顔)-e1673068313406.png)
液体墨は、どんなのを選べばいいの?
書道の道具は「使ってみないと、自分に合うか分からない」ですよね。
私が持っている2種類の液体墨について、まとめました。
お買い物のときの、ご参考になれば。
(墨液・墨汁・液体墨など表現されますが、ここでは液体墨で統一しています)
呉竹「書芸呉竹」と、墨運堂「玄宗」
![書芸呉竹](https://suzuribako.com/wp-content/uploads/2023/03/書芸呉竹-300x225.jpg)
![玄宗](https://suzuribako.com/wp-content/uploads/2023/03/玄宗-300x225.jpg)
この2つを私がよく使うのは、以下のポイントからです。
- 価格帯が、ちょうどいい感じだから
- 作品用の液体墨だから
ひとつずつ簡単に説明します。
価格帯が、ちょうどいい感じ
書道を長く楽しむコツは、お金をかけすぎないこと。
液体墨は、まず価格で選んでおりました (;^_^A
「500mlで1500円前後なら、たぶん品質的に間違いないかな」という、個人的な判断。
品質とお値段のバランスがちょうどいいラインが、このあたりのような気がしています。
ネットショップのサイトを見ると、どちらも高評価のレビューが多いです。
作品用の液体墨
「表装(ひょうそう)」するとき、作品用の液体墨は水でにじみません。
表装(ひょうそう)[または表具(ひょうぐ)]とは
掛け軸にしたり、額に入れたりするため、書き上げたものに水のりをつけてシワを伸ばすこと。
このとき、水のりで液体墨が溶けると困るんです。
練習でも、作品用の液体墨を使った方がいいかも、と思っています。
![](https://suzuribako.com/wp-content/uploads/2023/01/男性の顔困った顔)-e1673068313406.png)
どうして? もったいないよ。
理由は「いつ仕上がるか分からないから」。
最後に書いたものが、いちばん出来がいいとは限らない ( ;∀;)
「初めから本番」という状態でいる方が、緊張感もあり、仕上がりも早くなるような・・・ならないような。
原材料に違いがあった! 膠(にかわ)系と合成樹脂系
調べてみると、「書芸呉竹」と「玄宗」には、いろいろ違いがありました。
液体墨の原材料のうち、接着剤的な成分で分類すると、膠(にかわ)系と合成樹脂系に分かれます。
呉竹「書芸呉竹」 | 墨運堂「玄宗」 |
膠(にかわ)系 | 合成樹脂系 |
膠(にかわ)とは
獣類の骨・皮・腸などを水で煮て、その液を乾かして固めたもの。
ゼラチンが主成分で、粘着剤などに使う。
合成樹脂とは
すごく簡単に言うと、プラスチックのこと。
つまり、接着剤成分については、天然物と人工物という違いがあるんですね。
膠(にかわ)系液体墨の特徴
- 固形墨との併用ができる
- 低温でゼリー状化することがある
品質には問題ないので、容器のまま温湯で温めればOK - 2~3年以内に使い切りましょう*
合成樹脂系液体墨の特徴
- 乾きがはやい
- 低温でも粘度の変化が少ない
- 5~7年以内に使い切りましょう*
*天来書院編著『筆墨硯紙事典』天来書院、2009、p.104より
「にじみやすさ」「乾きやすさ」「使いやすさ」は?
実際に使うとき、気になることについてくらべてみました。
にじみやすい?
![左「書芸呉竹」右「玄宗」](https://suzuribako.com/wp-content/uploads/2023/03/左「書芸呉竹」右「玄宗」-300x225.jpg)
左「書芸呉竹」、右「玄宗」
![一時間後に書いたところ、左「書芸呉竹」右「玄宗」](https://suzuribako.com/wp-content/uploads/2023/03/1時間後に書いた-300x225.jpg)
左「書芸呉竹」、右「玄宗」
にじみやすい紙に、ほぼ同じスピードで書いてみました。
左の写真が、液体墨を容器に出して、すぐに書いたもの。
右の写真が、液体墨を1時間放置して、若干水分が蒸発した状態で書いたもの。
にじみ方の違いは、分かりませんでした・・・
乾きやすい?
![墨液で書いて1時間干しているところ](https://suzuribako.com/wp-content/uploads/2023/03/干しているところ-300x225.jpg)
左「書芸呉竹」、右「玄宗」
![干した後に水をかけたところ](https://suzuribako.com/wp-content/uploads/2023/03/水をかけた-300x225.jpg)
![下に敷いていた紙に墨がついたところ](https://suzuribako.com/wp-content/uploads/2023/03/水で濡らした-300x225.jpg)
左「書芸呉竹」、右「玄宗」
液体墨それぞれ小さじ半分(2.5ml)の量を、半紙の半分にベチョベチョに塗って1時間乾かしました。
1時間後、まだしっとりしている半紙を別の紙の上に載せて、水をかけて。
下に敷いていた紙を見てみると、液体墨の溶け具合に違いがありました。
![](https://suzuribako.com/wp-content/uploads/2023/01/男性の顔(笑ってる).png)
膠(にかわ)系と合成樹脂系の違いですね。
呉竹「書芸呉竹」の方が、墨の定着に少し時間がかかるようです。
![](https://suzuribako.com/wp-content/uploads/2023/01/11efc12447f2fb65488f0c08b69fdb5c-1-300x257.jpg)
でも、書き上げてすぐには表装しませんよね(笑)
書き終わったら、水のかからないところで乾かせばOK。
使いやすい?
![注ぎ口の比較(正面から)](https://suzuribako.com/wp-content/uploads/2023/03/注ぎ口比較①-300x225.jpg)
左「書芸呉竹」、右「玄宗」
![注ぎ口の比較(上から)](https://suzuribako.com/wp-content/uploads/2023/03/注ぎ口比較②-300x225.jpg)
左「書芸呉竹」、右「玄宗」
「書芸呉竹」
![書芸呉竹のアップ](https://suzuribako.com/wp-content/uploads/2023/04/書芸呉竹のアップ-241x300.jpg)
- 斜め上を向いた注ぎ口
注ぎ終わった後、液だれしにくい。 - 持ち手付き(180mlサイズには持ち手はありません)
持ちやすく、注ぎやすい。
▼使いやすさに定評のある、「書芸呉竹」についてまとめました。
→【書道におすすめの液体墨】呉竹「書芸呉竹」の注ぎやすさのヒミツ
「玄宗」
![玄宗のアップ](https://suzuribako.com/wp-content/uploads/2023/04/玄宗のアップ-236x300.jpg)
- 細くて長い注ぎ口
液がゆっくり出てきて、安心。
注ぎ終わった後、液だれしにくい。 - 「絶対に漏れない」ボトルとキャップ
特に墨液の容器には「絶対に漏れない」との命題が有ります。そのため、自社で容器の開発を行い、成型機によるボトルとキャップの製造を行っています。
墨運堂ホームページ「研究開発/製造・生産」より
それぞれの特徴をまとめると
呉竹「書芸呉竹」 | 墨運堂「玄宗」 | |
原材料の特徴 | 膠(にかわ)系 | 合成樹脂系 |
にじみやすさ | ー | ー |
乾きやすさ | 〇 | ◎ |
注ぎやすさ | ◎ | 〇 |
シリーズの特徴 (色・濃度) | 色: 「紫紺系黒」 「紫紺系黒 極」 「純黒」 「青系黒」 濃度: 「濃墨」 「超濃墨」 | 色:「紫紺系黒」 濃度: 「墨液」 「中濃墨液」 「濃墨液」 「超濃墨液」 |
まとめ
いつもなんとなく使っている液体墨について、初めて調べたり、くらべたりました。
特徴を知っていると、今後の商品選びにも役立ちますね。
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